2月26日~3月1日 石垣 西表
例年、2月下旬の八重山行きが、その年の竿初めとなっていた。ただ、今年はいままでと違い、シルバー割引が使えるようになったため、前もって特割の航空券を予約せず、天気を見計らって、良さそうな時に行こうと思っていた。ところが、今年はやたらと雨が多く、晴れ予報が3日と続く時がない。それどころか、5日のうち3日は雨予報という感じで、これではせっかく行っても楽しめそうにない。そうしてずっと天気予報を眺め続けて、ようやく2月も終わりそうなころ、やっと晴れマークが続いた。ずっと、お預けが続いていたような感じだったので、もう、行くしかないだろうと宿に予約を入れた。すると、Y口さんもそれにおっかぶせて予約を入れてきた。まあ、一人より楽しいか。ところが、そのY口さんは、当日になって体調をくずし、キャンセルしたという連絡があった。残念。でも、ちょうどそのとき、K目も行っているはずだし、Sさんも行っているはずだった。現地で会うかもしれないな。
26日
この日は移動日。石垣まで行くだけ。昼前に家を出て、羽田のラウンジで昼飯。K目は西表にいるはずだが、Sさんとは連絡が取れて、一緒に夕飯を食べようと約束していた。ラウンジでくつろいでいるときにY口さんから情報が入った。石垣でカバタテハが発生しているかもしれないというものだ。カバタテハは20年ほど前、八重山のいたるところに普通種のように発生していた。けれど、あのころどこにでもあったカバタテハの食草であるヒマ(トウゴマ)がどんどんなくなり、それとともにカバタテハもいなくなってしまった。今回発生したとすれば何年振りのことだろう?以前に採っているものだから、そう必死になるものではないが、久しぶりに出会えたらやはりうれしいだろう。しかも、その情報はSさんから聞いたと言う。ちょうどいい。会ったら聞いてみよう。
夕方5時半過ぎに石垣空港に着き、バスで市内に向かう。6時半過ぎに宿にチェックイン。すぐにコンビニまで買い物に行き、その日の夕飯と、翌日の朝昼分の食糧を買い込む。そして、Sさんがやってきた。
私の部屋でおしゃべり開始。カバタテハはSさんによると、今日会った人が見たとのことだった。その人は以前カバタテハを採っているので、間違いないと言っていたそうだ。そして、Sさん自身も別の場所で、それらしきやつを目撃したそうだ。それならかなり可能性はありそうだ。とは言え、飛んでいるときの色合いはイワサキタテハモドキとそっくりだ。実物を見るまでは断定できないだろう。
話ははずんで、気づけば10時。Sさんは自分の宿に引き上げていった。私もあわてて風呂に入り、明日に備えて就寝。
27日
8時半にレンタカー屋が迎えに来た。そして店まで行って車を借りる。しかし、天気はよくない。車を走らせても、蝶は1つも飛んでない。気温はそこそこ高いが、日差しが弱いせいだろうか?そういえば、この時期は10時ころにならないとあまり飛ばなかったよなあ。まだ時刻は9時前だ。そう思いながら、まず空港の裏へと向かう。
以前、石垣空港でトランジットが長かった時、空港から歩いて近くを探索したことがある。そのとき、いい感じの花場もあったし、もしやシロモンクロシジミ?と感じた個体も確認していたのだ。だから今回は、空港の外からそこへ行く道を探ってみようと思ったのだ。
裏側に入り込む道を探し、車を進めていく。しかし、以前、行った場所にはたどりつけない。どうやら途中にあったゲートの先の道を行かないとそこには到達できないようだ。けれど、かなり近くまでは行けるし、多少の花場もある。そのあたりならまあまあのポイントとなるだろう。
そして、よさげなところで車を停めてあたりを見てみたのだが、蝶はキチョウが一つ飛んでいるだけだ。時間的に飛ばないのか?日が差さないのがダメなのか?それともそもそも蝶がいないのか?それでも、そこでヒマを発見することができた。カバタテハが出ているのなら、そこで発生している可能性もある。見ると食痕もある。カバタテハによるものかどうかはわからないが、可能性はある。そこでじっくり見てみたが、残念ながら幼虫はついていなかった。
とにかく、原因はどうあれ蝶がいないのでは話にならない。そこから平野へ向かうことにする。天気は相変わらずすっきりしないが、多少は明るさが増してきた気はする。
ところが、そのころからなんとなく体が熱っぽくなってきた。うっすら汗もにじんできた。風邪でもひいたか?まさかコロナに感染してないだろうな?などと思いつつ、気づいてみると、車のエアコンが作動してない。寒い東京からやってきたので、エアコンをつけるという発想はなかったのだが、思いのほか気温が高く、車内はそこそこ暑くなっていたようだ。エアコンをつけるとたちまち汗は引いて気分もすっきりした。よかった。ここで風邪などひいたらシャレにならない。コロナを疑われるので、東京に帰ることもできなくなるだろう。
そして、伊原間を過ぎたあたりで、やっと蝶が飛ぶのを車内から確認できた。キチョウのほかに別のシロチョウと黒いアゲハも確認できた。よしよし、やはりこの時期は10時近くになれば飛び始めるのだろう。
平野のポイントに着くと、蝶はたくさん飛んでいた。イシガケチョウ、リュウキュウアサギマダラ、リュウキュウミスジ、タイワンクロボシシジミ、ジャコウアゲハ、シロオビアゲハ。スジグロカバマダラやツマムラサキマダラは少ないようだ。クロアゲハやカラスアゲハも見るが、特にめぼしい蝶はいない。ナミエシロチョウもいない。白いのはモンシロチョウかクロテンシロチョウだ。真っ赤なシロオビアゲハが一番の狙いなのだが、今回はⅡ型を一つも見かけない。と、そこに飛んできたのはナミアゲハ。もともと八重山にはナミアゲハは少なく、実は土着種ではなくて迷蝶なのかもしれない、と思っていたのだが、最近は数が増えたようで、よく見かけるようになった。今までは迷蝶だったけど、ようやく土着してきたのかもしれない。だから、春型も出現したのだろう。今年の初獲物はナミアゲハになった。
さらに奥のポイントへ進む。この時期、マサキウラナミジャノメがたくさんいる場所には、マサキは一つもいないがリュウキュウヒメジャノメがたくさんいた。ヒメジャも白帯が広くなる変異があるため、いくつかネットして確認するが残念ながらそのような個体も見つからない。
さらに進んで、以前に見つけたヒマの群落へと行ってみる。群落は場所が少し変わったが、まだ健在だった。しかし、カバタテハの姿はなく、食痕も全くない。もし、石垣で発生していたとしても、まだここまでは広がっていないのだろう。
さて、平野方面の様子はわかった。次に名蔵へと向かう。
到着してみると、Sさんがいた。そこで昨日、カバタテハらしきやつを見たそうだ。しばらくおしゃべりしながら飛ぶ蝶を眺めていたが、カバタテハらしき蝶は飛ばない。近くにヒマがないか探してみる。すると、ヒマにしてはやけに貧弱だが、それらしき植物を見つけた。食草があるのなら、カバタテハがいる可能性はある。しばらくしてSさんは移動していった。私も後を追おうとしたそのとき、茶色い妙な蝶を発見。あ。こいつか!ネットしてみると、カバタテハではなく、イワサキタテハモドキ。ただ、今まで採ったことがあるものより、明らかに小型で、なんとなく色合いなどにも違和感がある。たぶん低温期型なのだろう。まさか、クロタテハモドキじゃないよな。多少キレはあるが確保する。
すぐにSさんを追いかけて、見たのはこいつじゃないですか?これはイワタモですよと伝える。もちろん、見たものと同じものかはわからないし、別にカバタテハがいる可能性もなくなったわけではない。
Sさんは今日帰るので、残り時間でクロアゲハを探すと言う。私はSさんと別れ、今度は米原方面へ行く。カバタテハらしきやつを目撃したというのは、その辺だということだ。とはいえ、米原のどの辺で見たのかはわからない。ヒマがあれば(暇じゃないよ)その周辺を探すのだが、そのあたりでヒマがある場所は知らない。
なんとなく、ヒマがありそうな環境に車を停め、あたりを探してみる。天気はずっと曇りがちで、蝶はほとんど飛ばない。それでもしばらく探していると、いたっ!10mほど先を黒っぽい蝶が飛んだ。しかし、確認できないままに遠くへと飛び去ってしまった。明るい環境なのでイワタモとは思えない。イワタモよりスピードも速い。もし、間違えるとすればタテハモドキだろうか?でも、可能性は十分ある。
さらに移動して、また空港裏に行ってみる。
やはり、朝は時間的に早かったのだろう。今度はある程度の蝶が飛んでいる。ヒマの周辺にも、白い蝶がたくさんいる。すべてモンシロチョウだ。モンシロチョウはなぜか春だけ見られる。たまに夏場に見かけることもあるが、数はとても少ない。はて、こいつは迷蝶なのだろうか?迷蝶だとしても、冬場は西風や南風は吹かないから、春になって飛んできたものではないだろう。秋に飛来したものが卵を産み、蛹越冬していまごろ成虫になるのだろう。そして、しばらくはアブラナ科植物を食べて数を増やしていくが、夏になると八重山にはアブラナ科植物がなくなってしまうのではないだろうか。
さて、モンシロチョウがいるのだから、カバタテハがいるのなら飛ぶはずだ。けれど、しばらく待ってみてもそれらしき蝶は発見できなかった。
まだレンタカー返却時間には間があるので、もう一度米原に向かう。さっきはかなり雲が厚かったが、今は花曇り程度に明るくなっている。今度はたくさん飛んで、確認できるかもしれない。
ところが、現地に着いたころにはまた雲が厚くなってきた。しばらくあたりを探索するも、明るくならず、やがて返却時間リミットになってしまった。
ずっと晴れ男を自認していたけど、これじゃ晴れ男を返上しないといけないかな。
レンタカーを返却し、宿まで送ってもらう。すぐに風呂に入って弁当を買いに行く。昨日と同様、翌日の朝昼も買い込む。コロナになって以来、もう2年外食をしてないなあ。ホテルは食事付きの場合は仕方ないが、たいていは素泊まりにしてコンビニ飯の部屋食いとなる。そろそろ、ご当地飯を外食で食べられるようになってほしいものだ。
今日はK目が西表から石垣に戻ってくるはずだが、やっと連絡が取れたと思ったら、石垣に戻ってからバイクを借り、夕方ギリギリまで蝶を追いかけたそうだ。戻ったら風呂にも入りたいし、それから歩いてくるのも面倒なようだ。私は明日は西表に行くので、結局会えずじまいになった。
29日
朝、8時30分発の船で西表に渡る。そして、夕方5時10分の船で石垣に戻る。前回、告知したが、西表のことは一切書かないことにしたので、あしからず。
夕飯はまたしてもコンビニ飯。K目は昼頃帰ったはずなので、今日も一人さみしく部屋食い。宿の窓から外を覗くと、今日も近くの居酒屋では若者たちが大騒ぎしている。50m離れた宿の5階の部屋まで聞こえるのだから、どれだけ大声を出しているんだ。屋外のテーブル席だから安心しきっているのだろうか?でも、あれだけ大声だと、たとえ屋外だろうとウイルス持ちなら、かなりのウイルスを巻き散らかすことになるだろう。少なくとも、同じグループには感染して当然というくらいの大騒ぎだ。あれでは店に入るどころか、近寄りたくもない。ああいう連中がいる限り、コロナの終焉は遅くなるだろうな。そして、ああいうやつに限って、さんざん我慢しただの、ワクチンは接種しただのと言い訳を並べるんだ。お前らはまだ先が長いだろうが、こちらはあと何年残っているかわからない状態なのに、これだけ辛抱してるんだよ。
3月1日
今日は帰るだけ。疲れがたまっているから寝坊してもいいと思ったのだが、6時前に目覚めてしまった。しかたなく起きだして飯を食い、帰り支度をまとめたら、あとはやることが無い。グタグタとテレビを見ながら時間をつぶし、8時45分にチェックアウト。そして、9時発のバスで空港に向かう。
バスは30分で空港に着き、シルバー割引で羽田行きの航空券を買う。残念なのは、今日から3月なので料金が値上がりしたこと。確かめてあったのでわかってはいたが、たった1日で4000円も高くなるのは、すごく損した気がする。
羽田には1時30分に着いて、帰宅したのは3時過ぎ。たった3泊2日の日程だったが、ひどく疲れた気がする。もうトシか。いや、コロナのための運動不足のせいだろう。
次回も八重山。3月下旬に与那国中心で行く予定。また、天気予報を眺めながら日程を決める。でも、春休みになったら、宿が混むから少し早めに予約を入れる必要があるかな。
さて、これが今年最初のブログです。今年も採集に出かけたらブログを更新していきます。よろしくお願いします。
この記事へのコメント
色々思われる処もあるかと拝察しますが、貴兄の採集記、これからも楽しみにさせてもらいます!
次回の与那国は成果詳細も期待しています。
いつもコメントありがとうございます
また、緊急事態宣言など出されたら、またしばらく採集記が書けないと危惧していましたが、とりあえずは無事に今年最初の採集記を書くことができました。
今年はこの調子で、採集記を書き続けられたらいいなと思います。
最近は体調も良好なご様子で、安心しております。
世情いろいろありますが、今年も先生がお元気で活躍されますこと、また大ヒットが生まれますことをお祈りしております。
まだまだ安心できる状態ではないけど、なんとかコロナは騒ぎが治まってきて、出かけるときの後ろめたさが減りました。対策さえ、しっかりしていれば、そう簡単には感染しないはずなので、落ち着いて採集に出かけたいと思っています。今期もよろしくお願いします。